【創作】Tsumugi村物語−第4話− 「そらちゃんと月夜のひみつ ―夜にだけ見えるもの―」

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🌿この物語は、実際の風景や猫たちとの思い出をもとに、少しだけ魔法をかけて生まれた「Tsumugi村」のお話です。

今日も村のどこかで、小さな出来事が起こっています🏡🐾

窓から差し込む夏の光が、床の上をゆっくり移動していました。

さっきまで聞こえていた、だいちゃんとしょうちゃんのドタバタした音も、いつの間にか聞こえなくなっています。

どうやら、今日は3匹だけのお留守番。

家の中は、しんと静まり返っていました。

……カチ、カチ、カチ。

聞こえてくるのは、壁に掛かった時計の音だけ。

わたしは、まだ布団の上で丸くなっていました。

目次

🌿 静けさのなかで

わたしは、ゆっくり目を開けました。

「……んにゃ。」

まだ少し眠たいにゃ。

前足を伸ばして、背中をぐーっと伸ばします。

布団から降りて部屋を見渡してみても、だいちゃんも、しょうちゃんもいません。

「……どこ行ったにゃ?」

少し前まで、あんなに騒がしかったのに。

耳を澄ませてみます。

……カチ、カチ、カチ。

やっぱり、時計の音だけ。

わたしは、のんびり部屋を出ました。

窓の外には、夏のTsumugi村。

山々に囲まれた田んぼ。

風に揺れる木々。

遠くから聞こえてくる村の音。

いつもと変わらない景色です。

窓辺に座って、しばらく外を眺めていると――

庭の向こうから、だいちゃんとしょうちゃんの声が聞こえてきました。

「しょうちゃん、待つにゃ!」

「待たないにゃ〜!」

どうやら、少し離れたところで、また何か始まったようです。

わたしは小さく息を吐きました。

「……元気にゃ。」

いつものことです。

🐾 いつもの3匹

しばらくすると、だいちゃんとしょうちゃんが戻ってきました。

「そらちゃん、起きたにゃ?」

だいちゃんが、いつものように声をかけます。

「……起きたにゃ。」

しょうちゃんは、わたしの顔を見るなり、

「そらお姉ちゃん、遊ぶにゃ?」

と、ちょこんと近づいてきました。

「遊ばないにゃ。」

「え〜。」

しょうちゃんは少し残念そうにしながら、今度は別のものを見つけて走っていきます。

その後ろ姿を見て、わたしは思いました。

しょうちゃんは、小さい頃から変わらないにゃ。

わたしの後ろをヨチヨチついてきたかと思えば、急に驚かせてくる。

でも――

何かあったときだけは、いつも気になる。

だいちゃんもそう。

優しいけれど、ちょっと心配性。

2匹とも、わたしからすると少し騒がしいけれど。

……まあ。 一緒にいるのも、悪くないにゃ。

🦉 あのフクロウさん

ふと、わたしはフクロウさんのことを思い出しました。

Tsumugi村にやってきた、旅する記者さん。

この前は、わたしたちと一緒に村を歩きました。

田んぼを走ったり。

清流で遊んだり。

竹林を歩いたり。

写真を撮るたびに、ニコニコと嬉しそうに笑っていました。

でも…、わたしには、少しだけ気になることがありました。

フクロウさんは、ときどき村の景色を眺めながら、どこか遠くを見るような顔をするのです。

まるで――

何かを探しているみたいに。

「……なんでだろう?」

わたしにも、その理由は分かりません。

でも、なんとなく。

フクロウさんは、この村に来てから少しずつ笑うことが増えたような気がします。

「また来てくれるかな。」

そう思った自分に、少し驚きました。

🌿 夕暮れの村

やがて、昼の暑さが少しずつ和らいでいきました。

山の向こうへ太陽が傾き、田んぼや家々が柔らかな色に包まれていきます。

昼間は元気だったしょうちゃんも、少し眠そう。

だいちゃんは、そんなしょうちゃんの近くでのんびりしています。

わたしは少し離れた場所から、その様子を眺めていました。

……いつもと同じ。

特別なことなんて、何もない。

それなのに。

こうして3匹で過ごす時間は、なんだか落ち着きます。

🌙 夜になると

夜になりました。

昼間の暑さが少し残る庭に、涼しい風が心地よく吹いています。

空には、大きな月。

虫たちの声が、静かな夜に響いていて。

わたしは縁側から、静かにしばらく月を眺めていました。

夜は、少しだけ苦手です。

昼間は何ともないのに。

夜になると、なぜか胸の奥がキュッと少しだけ寂しくなることがあります。

どうしてなのか、自分でもよく分かりません。

そんなとき。

「そらちゃん。」

振り返ると、だいちゃんがいました。

「……何にゃ?」

「ここにいるにゃ。」

それだけ言って、だいちゃんはわたしの近くに座りました。

しばらくすると、だいちゃんは横になり、近くにあった木のボールを前足で転がし始めました。

コローン。

コローン。

わたしは、ちらっと見ました。

「……遊ばないにゃ。」

だいちゃんは、

「そうかにゃ。」

と言って、またボールを転がしました。

コローン。

コローン。

別に、遊びたいわけじゃない。

でも。

だいちゃんがそこにいることは、なんとなく分かっていました。

🦋 庭に見えた小さな光

しばらくして、わたしは庭のほうへ目を向けました。

そのとき――

草むらの向こうで、何かが光ったような気がしました。

「……?」

小さな光。

ふわっ。

また、ふわっ。

月明かりとは違う、淡い光でした。

まるで、小さな蝶々が光をまとって飛んでいるようにも見えます。

わたしは、そっと立ち上がりました。

一歩。

もう一歩。

でも、光はすぐに草むらの向こうへ消えてしまいました。

「……なんだったんだろう?」

しばらく、その場所を見つめます。

怖くはありませんでした。

むしろ――

どこか懐かしいような。

そんな気がしました。

でも、今夜は追いかけません。

わたしは静かに縁側へ戻りました。

🎋 あの夜のこと

布団に戻る前に、ふと思い出しました。

盆踊りの夜。

わたしたちのそばにいた、もう一匹の猫。

竹林の奥で見かけた、淡い女の人。

そして、この前見た――

キツネのお面をつけた女の子。

みんな、誰だったんだろう。

わたしには、まだ分かりません。

でも。

Tsumugi村には、わたしたちが知らないものが、まだまだたくさんあるようです。

「……また、会うのかにゃ。」

そう呟いて、わたしは空を見上げました。

🐾 そばにいる

夜も、だいぶ遅くなりました。

しょうちゃんは、もう眠っています。

だいちゃんも、少し離れたところで丸くなっていました。

わたしは、その姿を眺めます。

昼間は、あんなに騒がしいのに。

今は、静か。

でも。

ちゃんと、そこにいる。

わたしは、ゆっくり目を閉じました。

だいちゃんが、そばにいる。

しょうちゃんも、ここにいる。

きっと明日も、いつもと変わらない一日が始まるのでしょう。

……それでいいにゃ。

少しだけ、眠くなってきました。

わたしは小さく丸くなりながら、最後に一度だけ、隣を見ました。

そして――

「……今日も、そばにいるにゃ。」

Tsumugi村の夜は、静かに更けていきました。

最後に✿

Tsumugi村で過ごす毎日は、いつも特別なことが起こるわけではありません。

朝から元気に走り回る2匹がいて。

わたしは少し遅れて起きて。

昼間は、それぞれ好きな場所で過ごして。

夜になると、みんなで静かに眠る。

そんな、いつもの毎日。

でも、こんな何気ない毎日の中にも、気づかないだけで小さな出来事が隠れているのかもしれません。

この前、フクロウさんと村を歩いたときにも、私は少し不思議なものを見ました。

そして今夜も、庭で小さな光を見つけました。

あれが何だったのかは、まだ分かりません。

でも、いつかまた会えるような気がしています。

そのときには、もう少し近くまで行ってみようかな。

……でも、今日はもう眠いにゃ。

わたしは、だいちゃんとしょうちゃんの気配を感じながら、静かに目を閉じました。

それでは、また村のどこかで。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました😊

だいちゃん店長

また村に遊びに来てにゃ

作者より

🦉 作者からのひとこと

今回は、初めて「そらちゃん」の目線からTsumugi村を描いてみました😊

普段は少し控えめで、奥の部屋で過ごすことの多いそらちゃん。

でも、ふとしたときに誰かの変化に気づいたり、何かを感じ取ったり。

そんなそらちゃんの姿を思い浮かべながら、このお話を書きました。

実際の3ニャンも、いつもベタベタ一緒にいるわけではありません。

それぞれ好きな場所で過ごしながら、何かあれば自然と近くにいる。

そんな3ニャンの距離感も、Tsumugi村では大切に描いていけたらと思っています😊

そして今回、そらちゃんが見つけた小さな光。

あれはいったい何だったのでしょう……?🦋

まだ、私にも分かりません🤭

Tsumugi村には、まだまだ私たちの知らない場所や、不思議な出来事がたくさんありそうです。

いつか、そらちゃんがあの光をもう一度見つける日が来るのか。

それとも、別の誰かが先に見つけるのか。

それは、もう少し先のお話で。

また次のお話でお会いしましょう🏡🐾✨

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回のお話の元となったリアルな3ニャン日記はコチラ👇️

実際に見た景色や、我が家の3ニャンたちに少し魔法をかけた創作「Tsumugi村物語」が2026年8月よりスタートしました。

季節だよりで紹介した、あの場面、風景ももしかしたら…ぜひ合わせて見に来てくれたら嬉しいです。

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